たからばこ

好きなものを好きなだけ

アイドリッシュセブン メインストーリー 第5部 2章 感想

 

 

4章分まとめて感想を書くはずが、文字数が想像を遥かに超えてしまったので各章毎で分けることにします…

簡潔にまとめる能力をくれ

 

 

ということで2章

ここからは本当に未知の新章だったので心臓バクバクだった

1章はもう先行配信のインパクトが大きすぎてね…

 

1話が配信された時「これはもう掛け湯どころか熱湯風呂」とか言ってたけど、1日1話だった分まだ優しかったんですよ、たぶん

4章配信、嬉しいけど情緒が大変なことになる

 

 

九条鷹匡は他人の努力や才能はちゃんと認められる人なんだよな

4章の最後、楽くんと十さんのこともそうだけど

なのに、そこにゼロが関わると途端に破綻する

それだけゼロが特別なんだと言われてしまえばそれまでだけど、勿体ないとすら思う

そして、ゼロがいたころの彼を見てみたいとも

きっとすごい演出家だったんだろうな

 

 

なんでこの2人急にジャンケンなんか始めたんでしょうね??突然過ぎてここ笑っていいとこ…だよな…?ってなっちゃった

 

紡ちゃん、意外と恐れ知らずの破天荒よな

ゼロのことをそんな遠慮なく九条鷹匡に聞けるの、たぶん紡ちゃんくらいだよ

そういうとこ好きだけども

 

 

この段階で紡ちゃんの口から「今のIDOLiSH7に対する漠然とした不安」を聞くのは怖かった
私たちは画面越しにしかそれに触れられないけど、誰より彼らの近くにいる彼女がそういうのならそれは紛れもない事実なんだろう

 

それまで真っ直ぐ純粋だったものが、少しづつ、作られたもの、紛い物になっていく。それは果たして幸か不幸か
アイドルとして生きていくには正解かもしれないけれど、IDOLiSH7としてはどうだろう

 

今までは飾らない、ありのままの自分たちでいることが世間の人気にもファンの笑顔にも自分たちの幸せにも繋がっていたけど、いつまでもそのままではいられない。自分たちも、世間も変わっていくから

そのとき彼らは自分たちに正直でいることを選ぶのか、それとも世間の求めるIDOLiSH7でいることを取るのか

どちらを取っても、誰かは傷付くから難しい

 

 

私は今回この章を読んでようやく、九条鷹匡の言う"アイドル"を理解した

それは確かに九条天のことだ

どんなに辛くしんどくても、笑ってくれる人がいるのならそれだけで幸せでいられる、それがアイドルの資質だと言うのなら、彼こそがそうだろう

幼い頃から陸くんの笑顔の為だけに自分の甘えたい気持ちも遊びたい気持ちも抑えていい兄でいた、それを苦痛とも思わず、幸福感さえ感じてこなしていた

それは今でも続いている

 

「この世界が終わる瞬間にも笑顔で歌っているのがボクらの仕事」その言葉に偽りなく、彼は自分を見上げてくれるファンがたった1人になってしまったとしても、きっと笑顔で歌って踊る

アイドリッシュセブンの16人の中でそれが出来るのは、確かに天くんと、そして以前彼がプロデュースする気でいた千さんだけだと思う

 

全くの自然体で、人に求められたらそれがどんな無理難題でも、その人の笑顔のために応えてしまえる、そこに幸を見い出せる、そんな人材は彼らだけだ

それをアイドルの資質と呼ぶのなら、彼らは間違いなく最高のアイドルだろう

 

だけど私は、紡ちゃんの言うアイドル論の方が好き

アイドルは偶像でなくていい

笑って、楽しんで、疲れて、悲しんで、全ての期待には応えられない生身の人間でいいんだ

その権利を剥奪することは誰にも出来ない

 

アイドルなんだから笑えとか、ファンの期待に応えろとか、そんなことを強要されるいわれはどこにもない

彼らは彼らの心に正直で居たっていいはずなんだ

 

もちろん仕事なんだから最低限のことはやってもらわなくちゃ困る

みんなが好き勝手してしまったら世界は回らなくなる

だけど、誰かがたくさん我慢をしなくちゃいけない世界ならクソ喰らえだ

 

 

そもそも、わたしがIDOLiSH7に魅せられたのは「ありのままでも愛される」ということを教えてくれたからだと思う

自分が自分でいるだけでその他大勢に愛される、なんて、まるで夢物語のようだけど、彼らはそれを実現していた

そういう世界もあるんじゃないかと夢を見させてくれた

 

だからこそIDOLiSH7にはいつまでも「ありのままで愛される」グループであってほしい

というのは、わたしのワガママだろうけど

 

 

難しい

確かにアイドルは夢を売るお仕事だけど、痛みや悲しみを感じる人間でいることはほんの少しも許されないんだろうか

 

 

姉鷺さんがTRIGGERのマネージャーで良かったなぁって何回でも言うよ

誰よりいちばんTRIGGERのことを理解していてくれて、誰よりその努力を認めて褒めてくれる

彼女の支えがあるから3人は1度ステージから降りた今でも立っていられるんだと思う

 

 

「眩しいステージを見て、寂しくなる」という十さんの言葉に胸が重くなった

ステージを降りたって、小さな箱で歌っていたって、彼らの輝きは一欠片も失われていない

それは本当だけど、やっぱり大きなステージを羨ましく思う気持ちもあるよなぁと

 

そして、客席からステージを見上げた景色を知ってしまった今、どこで歌うかじゃない、誰と歌うかだ、と、綺麗事を大声で言えるほど真っ直ぐな気持ちではいられないけど、それでも隣にいる誰かに救われているのも事実なんだよな、きっと

この世の中は綺麗事を並べて乗り切れるほど甘くはできていないけど、その綺麗事に救われる瞬間もきっとある

 

 

「貴方が悪いわけじゃないですから」というおかりんに対して、澱みなく「そうなんです」と言えてしまう宇都木士郎、悪い人じゃないんだろうけど、何かこうさ…不思議な人だよな

 

 

やっぱり7人一緒にいてくれるのがいいなぁ

人気なんて出なくていいから、こうやってもうずっとみんなでわちゃわちゃしていてくたらいいなと思うよ

デビューが決まった時はあんなに嬉しかったのに、売れてきたらそんなことを思って、本当に贅沢だけどさ

 

 

"大きな仕事"も同じだな

最初に大和さんにドラマの話が来た時は、あんなに大騒ぎで喜んだのに

今ではグループの仕事と天秤にかけるようなことをしなくちゃいけない

 

難しいよな

7人で人間らしく過ごす時間の幸せを取るか、IDOLiSH7というアイドルグループとしての繁栄を取るか

 

何かを選ぶときには同時に何かを捨てるしかないんだろうか

全部大事に抱えていたい、なんて、そんなのはワガママな幻だろうか

 

幸せになるための努力だった初期とは、もう何もかもが変わってしまっている

本当の幸せって、彼らが手にしたかった、守りたかった幸せって、何だろうな