たからばこ

好きなものを好きなだけ

アイドリッシュセブン メインストーリー 第6部 6章 感想

 

 

 

MEZZO”はほんとずっと家に囚われてるんだよな。

家に変わる何かを見つけることは出来たけど、家そのものに関わるものを解決できてるわけじゃない。父親に対する嫌悪感は変わらず持ち続けたままだし、赦すこともできてない。

だけど幼い日々をそういう環境で過ごしたから、そういう人に育てられてきたから、どうしたって自分の言動にその人の影を感じずにはいられなくて。

絶対あんなふうになりたくないのに、気付けば同じことをしている気がする。家を出るほど、二度と会いたくないと思うほど嫌だったその人と同じことをしてしまう自分がどうしようもなく最低で醜い人間に思える。

そんな2人に我らが大神万理が掛ける言葉が『一方的に相手に押し付けるのは問題だけど、当たり前の気持ち』『自分の気持ちを悪いものだと思い込まなくてもいい』ですよ。もうね、万理さんが来た瞬間の安心感えぐかったもんね。安心と信頼のイケメン事務員。いつもありがとう。

 

 

 

巳波の自信の話、めちゃくちゃ耳が痛かった。『自分を信じる力が足りないから、自分以外の賞賛の声で自尊心を満たそうとする』『でも結局、本当の不安は埋められない』ってほんとその通りなんだよ。それは虎於だけじゃなく、この世界のほとんどの人がそうなんじゃないかと思う。楽さんみたいに自分を信じて、強く真っ直ぐになれたらいいとは思うけど、なれないからこそ私たちはこんなにも悩んで苦しんで生きてるわけなので。

 

柔らかく靱やかだけど決して己を見失うことのなかった桜春樹のことを自然の「葦」に例えて、誰かのために他人の望む自分でいる虎於のことを気軽に宙を舞っているように見えてその実とても精巧に造られている「紙風船」に例えるの、さすがに上手すぎて唸った。都志見文太ぁ……。

都志見先生の例えの出し方が本当に好き。ずっと好き。めちゃくちゃ的確でそんな例えここに持ってくる!?みたいなことをサラッとやってくるのが本当にすごい。大好き。

 

巳波も周りの人達のオーダーを聞くばかりの子役時代を送ってきて、それを打開して行ったノースメイアで桜さんと出会ったことで今がある。だからこそ分かるんだろうな。虎於の気持ちが、少しだけ。人のオーダーを聞くことよりも、自分のオーダーを通すことの方がずっと勇気のいることだよね。

もしかすると巳波もあのまま日本にいたらこうなっていたのかもしれない。そう思うと本当に巳波が桜さんと出会ってくれてよかった。

 

 

 

 

幸福な家庭に育ったからこそ、恵まれているからこそ、気楽に愛されているからこそ苦しい時もあるんだとちゃんと示してくれるアイドリッシュセブンほんとさすがだよな。マジで信頼しかない。

メタ的な視点で見ると、今までの子達はあからさまにしんどい事情の中に置かれてたから、これができるのは虎於だけなんだよなあ。

 

誰かが虎於のこの状態を「穏やかに飼い殺されてたんだ」って言ってて、まさにそれだなと思った。真綿で首を絞められるようなってこういう事なんだろうな。

そして何より虎於自身が家族が好きで、その家族が自分を大切に思ってくれているからこそ「無理なことはしなくていい」と言われていることを自覚してるからこんなにもつらい。虎於にとって、周りを無視して自分のやりたいことを口にするのは、優しく見守ってきてくれた家族を裏切り困らせることにほかならないんだもの。そりゃ怖くもなるよ。

 

そんな虎於を助けるのが狗丸トウマって男ですよ。全くお前は本当にかっこいい。どこまでも光の男なんだよなあ。

 

ベラがじっと人間の言うことを聞いて大人しくしているのは『馬鹿で臆病』だからじゃなく『人間が好き』で「誰かの役に立ちたい」から。それは決して卑下されるようなことでも、笑われるようなことでもなくて『立派』なんだよね。

 

以前ベラが出てきた時、虎於は自ら彼女に自分の姿を重ねてた。それをここに効かせてくるのはめちゃくちゃ面白い演出だなと思った。

最初に虎於がベラと自分を重ねた時は「犬に自分を重ねることなんてある?」と思ってたんだけど、ここに繋がるなら納得。ベラと自分を重ねていたからこそ、ベラに向けられたトウマのこの言葉が何より強く虎於の胸を打った。犬に向けられた言葉だからこそ、自分を慰めるためではないただひたすら真っ直ぐなトウマの気持ちに救われたんだろうな。

 

トウマはほんと何気なく誰かの心を救ってしまう最強に罪な男。本当にありがとうね。

 

 

 

 

 

MEZZO”くんたち、何気なくお互いに告白し合っててよかったな。そういうのもっとくれ。

 

自分には相手を傷つけるとんでもない凶器に見えていたものが、実際の相手にとってはそんなに恐ろしいものではなかったりする。その反対に、自分にとっては大したこと無くても、相手にとっては明確な悪意になってしまうこともある。だからこそ人と人の付き合いは難しくて、互いを知り合って少しずつ歩み寄っていくしかない。

確かに2人が抱えていた思いの形自体はいつかの父親たちと同じだったかもしれない。だけどその本質まで同じかと言われればそれはきっと違ってて、そういうのを引っ括めた万理さんの『一方的に相手に押し付けるのは問題だけど、当たり前の気持ち』『自分の気持ちを悪いものだと思い込まなくてもいい』マジで効いたな…。(2回目)

壮志も四葉父も、みんなが当たり前に持ってた気持ちを拗らせてあぁなった訳で、もちろんあの言動自体は許されることではないけれど、彼らの抱いていた気持ち自体を否定しないところもアイドリッシュセブンらしいなぁと思った。お前がアイドリッシュセブンの何を知ってるんだという感じですが。

 

『絆が繋がってるからこそ、いつもこんがらがっちゃう』『こんがらがっても諦めずに手を離さなかったからここまで来た』さすがにMEZZO”の解釈が強すぎるだろ大神万理。ずっとMEZZO”を見ていてくれてありがとう。

 

なんかもうこの章の走り書き感想メモ「大神万理」しか書かれてなくて笑う。分かるよ過去の私。

『今度こそ、ちゃんと幸せにするって決めてるんだ』新旧Re:valeまとめて愛してる私にぶっ刺さった。号泣。

あの日あの時はこの道が最善だと思っていただろうし、たぶんあの時にこれ以外の道はなかったのだと思う。だけど、それでも後悔がないわけではなくて。道半ばで千さんの手を離したこと、この人はずっと後悔し続けているんだろうなと思った。

 

日本さあ、頼むから全国の高校生や就活生に大神万理を派遣してくれないか。わたしが高校生のとき、将来に悩んでいたときにこんな大人がそばに居てくれたらとめちゃくちゃ思ったよ。環くんのしたいようにしたらいいよって丸投げするんじゃなくて、ちゃんと見つめて分析してより良い未来に繋げてくれる、そんな人なかなかいないよ。

 

アイドリッシュセブンの重たいストーリーをのたうち回りながらも安心して読めるのは、大人組がしっかりしていてくれるからってのが大きいと思う。社長たちやマネズがいてくれるから、アイドルたちがたくさん悩んで苦しんでも、きっとまた笑える日が来ると思える。いつも本当にありがとう。これから母の日はマネズに贈り物した方がいい?

 

5部からずっと、もう環くんの未来はダンス留学をするかしないかの2択でしかないと思ってたから、まさかこんな新しい道が拓けるなんて思ってもみなかったよ…万理すげえ…本当にありがとう。

もう今となってはむしろこれしか考えられないもんな。言われてみれば確かに環くんの性格で、よく知りもしない土地で日々コツコツ頑張るとか向いてないだろうなって思った。

人間、切羽詰まると目の前のことしか見えなくなっちゃうもんなんだよなぁ。ユーザー(≒マネージャー)という立場の私でさえそうだったのに、そこに囚われずちゃんと広い視野を持ち続けて環くんに本当に合った道を見つけてくれた万理さんやばいよ。すごいよ。

 

そんでその後の『君たちは自由なんだ。そして、安心して帰る場所がある。俺がちゃんとそういう場所になるから。』『絆も、自由も、両方あげる。』ですよ。もう語彙が大神万理しかない。そこに全てが詰まっている。大神万理。

 

IDOLiSH7はよく擬似家族って言われるけど、アイドリッシュセブンの目指すIDOLiSH7の形はそういうものじゃなくて、ちゃんと彼らが生まれ育った家との蟠りをなくして(この場合の蟠りは家族と仲良しになることではなく、その場で育ってきた自分という人間と向き合うこと)、かつ第2の家のような居場所を与えてあげることなんだろうなということを改めて感じられた話だったな。

 

 

 

ここでディアバタはダメだよ…とんでもなく歌詞が染みる染みる。アイドリッシュセブンはほんとおでんだね。

 

6部まだ全然新曲がないな?と思ってたらまさかの…静かに公開するんじゃない…おかげで全部読み終わってからようやく気付いたわ。

MEZZO”の歌より先に陸くんの鼻歌で聞いたのちょっとおもしろかったな。なんでだよ。

 

恥ずかしくてふにゃふにゃ笑ってる環くん絶対かわいいやろ〜!!!早くアニメにならないかなあ。気が早いね。でも絶対やってくれると信じてる。

 

読み終わってキズナ叩きながら「これはIDOLiSH7が入る隙どこにもねぇわ」となりました。想像の5倍くらいめっぞめぞだった。

 

限界オタクは7人が揃ってレッスン場にいるだけで泣けてきて大変でした。いつまでもそうやってわちゃわちゃしていてほしいよ。永遠じゃないからこそ今が美しいんだということも頭では分かっているけどさ。


そこからはもう自分が何に泣いてるのかも分からないくらい泣いてた。本当によかったな。環くんが留学の夢を諦めるんじゃなくて、でもIDOLiSH7を離れずに夢中になれる好きなことを見つけてくれたのが嬉しくて仕方ない。本当によかった。(噛み締め)

 

そーちゃんさんにニッコリ。こういう変わらない部分もあってくれて嬉しい。敬語は上手く扱えるようになってきたのにね。かわいい。

 

 

 

 

 

いや〜もう、MEZZO”を通してアイドリッシュセブンとは何かを存分に見せつけられた感じの更新分でしたね。

そして虎於がすごく刺さった。彼の蟠り解消まではもう少しかなあ。