アイドリッシュセブン メインストーリー 第5部 7章 感想
27日更新だと思ってたら25日です!って言われてびっくりしたんだけど、八乙女楽との約束が金曜日でしたね。そこに合わせてきたんだろうなあ…
たまたまなんじゃ?と思いたいけどそうは思わせてくれないアイドリッシュセブン、強い。
2日前に突然宣告されたから心の準備が足りてなかった。準備してても耐えられなかったと思うけど。
さて本編のお話を
絶妙な緩さで発される謎の宇宙人の鳴き声(違う)にめちゃくちゃ笑った。じわじわ腹立つ感じのおもしろさ
天くんの声、この時点ではすごく優しくてお兄ちゃんらしくていいなって思ってたのに…知ってたよ、甘い幸せのあとに地獄が待ってるのは予測してたけど、きついもんはきつい
さすがに4年もアイドリッシュセブンをプレイしてるだけあって、途中から「あ、これダメな九条天だな」って気付いたけどな。陸くんに言うこと聞かせたい時や言い難いことを言うための前振りが分かりやすすぎる。
双子が絡んでくれてるのすごく嬉しいのに、すごく怖かった。なんでか分からないけど、得体の知れない不安感というか、非日常感というか。言い表しようのない違和感が侵食してきている感じが何とも不気味だった。
フレンズデイ合宿のときの幽霊と会話する陸くんとかもそうだけど、都志見先生「目には見えないけれど確かにそこに蔓延る何か」を描くのうますぎるんですよ…
そしてそれを的確に読み取って演じてる声優さんたちもすごい。とんでもない。
蕎麦屋出禁でまた笑った。もうちょっとマシないい訳あったやろ
高低差がすごいのよほんと
「今週は環くんが試験前だから1人」にめちゃくちゃリアルを感じて良かった
試験前はちゃんと学業優先なんだよな。そういうとこしっかりしててすごく好きです
アイドリッシュセブンがくどい程に「現実」と言われるのって、もちろんストーリーに描かれるものだとかメディアミックスな作品展開だとかもあると思うんだけど、こういう小さなリアルを大切にするからだと思うんだよね。退寮の話もそうだけど、決して都合よく避けては通らせない。どんな些細な日常も蔑ろにしない。それがアイドリッシュセブンの魅力であり、恐ろしいところでもあるんだけど。
そういう避けては通れない退寮の話…
万理さんが「今は良しとしていることが今後も同じように良しと思えるとは限らない」っていう話ができるのは、彼自身がそうだったからなんだろうな。
表舞台に立って、ギターを鳴らして、歌って踊って。そういう世界が好きだったし、自分にも合っていると思っていたけど、少しずつ裏で動くことの楽しさを知って、そちらに移って、今ではそれを生業にまでしてる。
こういう、自分たちが知らない世界のことを知っていて、そこまで考えていてくれる存在ってきっととても貴重でありがたいものなんだろうなと思った。だからこそ、それは今のみんなには想像しにくいもので結論が出ないのかもしれないな。
ここで壮五さんの懸念が実家や家族という存在が身近にない環くん、ナギくん、そして自分自身のことであると示されたのキツかったな…
当たり前なんだけど、やっぱりそういう意識と不安はずっとあったんだよね。他のみんなは帰る場所がある。寮を出ることになっても、本当の家族が待ってる。だけどじゃあ僕らは?という、迷子の気持ち。
ぐっと心臓を握られた気がした。
前に「彼らの心を蔑ろにしないで」って言ったんですよ。退寮はもうこの際、仕方がないもの、有名税として受け入れるべきことなのかなと思うけど(それでも出来ればやめて欲しいけど)、せめて7人みんなが納得する形でと願ってた。
それが今回の万理さんの言葉を聞いて、ああ大丈夫だなって思った。別に疑ってたとか不安に思ってたとかそういうわけではないんだけど、すごく安心した。みんなの心はきっとちゃんと守られる。
そう思えるのはアイドリッシュセブンの強いところだなと思う。絶対に、何を差し置いてでも偶像のアイドルではなく彼ら自身を大切にしてくれる人が、きちんとそばに居てくれる。たくさん苦しいことがある中でも絶対的な安寧と信頼がそこにはあって、だからこそ苦しむみんなを描けるし飲み込めるのだろうなと。
IDOLiSH7をどうかよろしくお願いします(誰)
壮五さんの中にも、寮を出て暮らすことへの利便さを感じている部分は少なからずあるんだろうなと思う。純粋に、真っ直ぐに「7人で暮らし続けることが1番良い」とは言いきれない何かが。
だからこそ、小さな別れの可能性が入り込んでしまうことに怯えてる。それによってみんなが揺れてしまうかもしれないことを知ってるから。
にしても、三月くんと大和さんの喧嘩の時には寮を出ていくということに対して別段抵抗のなさそうだった壮五さんがこうやって悩んでいてくれてるの、不謹慎かもしれないけどめちゃくちゃ嬉しい。
バラバラに暮らしててもおかしくない状況なのは今でも変わらないし、そうすることで生まれる仕事のしやすさやプライベートの確保なんかの利益があることも事実なのに、それでも、なんとかして7人でいられないだろうか、7人でいたいと思っていてくれてるんだよね。
私もみんなずっとあの寮で7人わちゃわちゃと、すれ違ったりもしながらなんだかんだ仲良く暮らしていくんだと思ってた。ここまでにみんなのいろんな変化を見てきたのに、そこだけは変わらないって思ってた。
変わり続けて出来上がった今のIDOLiSH7が大好きなのに、どんどん進んでいく貴方たちが眩しくて愛おしかったのに、今は次に訪れる変化にこんなにも怯えてる。
「このまま、ここにいたらだめ?」という幼子のような、不安に揺れた言葉がとても痛かった。このままでいい、もうこれ以上先になんて行かなくていいよと言ってしまいたかった。だけどそれはきっと、世界が許さないんだろう。もっと先を、次の未来を、見せて欲しい。ファンたちがそう思うのは当たり前だ。その期待が、愛情が、みんなの足元を駆り立てていく。彼らの今立つ場所を崩して、先に先に追いやっていく。
ゼロもこんな気持ちだったんだろうか。じわじわと足元を崩されて追い立てられていくような気持ちを抱えて、たったひとり、ステージに立っていたんだろうか。
だとしたら、それはどんなに恐ろしく残酷なことだろう。
一緒に暮らすことが全てではないというのは分かってる。だけど、一緒に暮らしていたからこそ、どんな時でも一緒に食卓を囲んで同じ時間を共有してきたからこそ、今のIDOLiSH7がある。それは確かな事実なんだよな。擬似家族としての危うさもあれど、ひとつ屋根の下で暮らしてきたことによって生まれた今の関係性はかけがえのない、大切で幸福なものに違いない。そう思うからこそ、この生活の終わりが何を意味するのかを考えると怖くもなる。
想像できない、だけど確実に彼らの形を変えてしまうであろう新たな道。
万理さん、何がどうなったら自分が一般人っぽい人生辿ってきたと思えたんかな。どう考えても稀有なタイプだよ。めちゃくちゃ笑った
旧Re:valeは距離が近すぎたが故に互いに依存しあって、相手を縛り付けてしまっていた。もちろんそれが一概に悪い事だとは言えないんだけど、その結果もたらされた「万のために自分を犠牲にしようとした千」は決して正しくもなかったわけで。そういう過去を歩んできた万理さんだからこそ、距離が近いことに対する危機感が人一倍強いんだろうな。
その感覚自体は間違いではないし、もっともだと思う。
だけど今のIDOLiSH7にとってその危機感を払拭するために7人で一緒にいられる時間を削ることが正しいのかというのはまた違う問題なわけで。
難しいね。
いろんなことが変わっていく中で、変化させなきゃいけないこともこのままでいた方がいいことも当たり前にある。それらを見極めて、進んでいかなくちゃいけない。
これまでは当たり前のように寮があてがわれていたから7人で暮らしていたけど、そうでない生活もできるよ、と提示されてしまったら、みんなはどんな結論を出すんだろう。
5部になってからアイナナちゃんたちが揃って笑ってるだけで泣けてくる身体になってしまって。変わったようで変わらないみんなのやりとりに、ほっとしながら泣いちゃうんだよね。
そんな中でただ静かなMEZZO”のおふたり…不意に1部の「5人と2人」を思い出した。今のMEZZO”は7人の中の2人というより、「5人と2人」の2人な感じがする。上手く言えないけど。それが苦しい。
それでさあ!!!!!!!一織くん!!!!!!
もう…も〜〜〜〜〜…
5部で来るんだろうなと思ってたけど、思ってたよりずっと闇が深そうね。
めちゃくちゃ高圧的でびっくりしてしまった。読んですぐはこんな子だったっけ?と思ってたんだけど、冷静になって考えてみれば和泉一織は最初からこんな子でしたね。目的のためなら己も他人も顧みない、そういう子。キツイ真実を優しい言葉に隠したりしない、誠実な子。(但し実兄に対しては特例…)
その冷徹さに何度も救われてきたけど、今回は本当に恐ろしかった。あんな物言いの一織くんに一切怯まなかった紡ちゃんすごすぎる。
なんていうか、一織くんって柔軟性がないよね。いろんな人が言ってるように、7人の中で一番、初期から成長できてない子。
紡ちゃんの言うように、みんなに隠すという約束が罷り通ったのはそれがまだ初期、足元の不安定な頃だったからで、もう2年以上の時間が経過しているのならそれは無効も同然だと思うんだけど。
ていうかただの口約束を「契約」とまで言ってしまうの、激重…。
「今後の信頼関係にも関わります」もオーディションで4人落とすと言われたときとおんなじ反応だし。
この硬さが彼の危ういところな気がする。それが若さや経験値の浅さ(マネジメントをすることやそれを隠しておくこと以外の生き方を知らないこと)のせいなのか、それともただの生来の性格によるものなのかは分からないけど。
一織くんは、サポートするということに"しか"興味が無い。そしてそれがバレたら終わりだと思ってる。まるでそれがこの世の終わりと同等かのように捉えてる。視野が狭いのよね、とても。
まぁそれも「兄さんに嫌われたくない」という一心のせいなのですが…。三月くん相手でさえなければバレることをこんなに重大な事のようには捉えてないだろうし、そもそも隠してなかった可能性が高い。なんとも厄介な話。
だけどこれに関しても、三月くんはわりと(現段階では)受け入れ態勢ではあるんだよね。彼は「弟に隠し事をされていること」が嫌なだけで、恐らく「弟が自分より秀でていること」に対して激昂することはないのだと思う。それについてはもうある種の諦めというか、そういうものとして考えられてるんじゃないかな。だからこそ、大和さんと喧嘩した日の夜に一織にも謝れたわけだし。
まぁただ、あれは「今振り返ってみれば一織はオレのこと考えて言ってくれてたのに、怒鳴って悪かったな」なわけであって、一織くんから隠し事を打ち明けられたその瞬間に怒ることがないかといわれればそれは…になる。
たぶん三月くん爆発するだろうなあ。だけど今度はすぐに「どうして一織はオレに隠そうと思ったんだろう」「あぁ、あの日のオレの言葉のせいだ」というところまで行き着けるんじゃないかなぁ…推しの贔屓目かもしれない。
もうこの際暴露してしまうと、わたし、プロデューサーとしての一織くんかなり苦手なんですよ。
アイドルたちに寄り添って一緒に歩んでいこうとする紡ちゃんやその他マネズに比して、周りを完璧に自分の思い通りにコントロールしようとする、出来ると思っているその姿の傲慢さたるや。これはただの私の好みの問題なんだけどね。私はこういう人が苦手で、自分とは価値観が合わないなと思ってる。一織くんが陸くんをコントロールしていてくれたおかげで何とかなってることがあるのも、ここまで彼の敏腕なプロデュースに助けられてきていたことも事実。
だから彼にはどうか「他者を完璧にコントロールすることはできない。最適解が最善策だとは限らない」ということを知りつつ、その才能を活かして欲しいなぁと思う。私の勝手な願い。
そして一織くんの「分析」な。
なんか今回のこれで、三月くんが一織くんにコンプレックスを抱くの分かっちゃった…。これまでは結構、三月くんも兄としてのプライド高すぎる…!もっとお互いに歩み寄れ和泉兄弟…!って気持ちだったんだけどな。
もし自分が自分のいないところでこんな風に誰かに分析されてたらめちゃくちゃ腹立つなと思った(私も大概プライド高いので…)。そしてそれを皮肉でも哀れみでもなく「ただの分析なんだから」と割り切って、というかそれを後ろ盾に他人の欠点をつらつら挙げられる一織くんすごいよな。
幼い日、三月のためにとしたことのせいで誰より幸せにしたかった兄を傷付け、同時に自分も傷つけられ、大好きだった兄に嫌われたということを自覚したあの瞬間のことを一織くんはどんな気持ちで語ったんだろう。
以前、Twitterで一織くんに対して「感情よりも理論が先に来てしまうんだよね」って言ってる人を見かけた。兄に拒否されて悲しかった、どうして、という思いよりも、これがこうなってこうだから兄さんは私のアドバイスがおもしろくなかったんだろうなという理論の方に先に行きついてしまうのだと。
私はあんまり頭が良くないので、一織くんのような所謂「秀才」のことはよく分からないんだけど、これが本当なのならそれはとんでもなく寂しいことだなと思った。彼にとっても寂しいことであるか否かは知らないけど。
一織くんの分析するときのあの声の抑揚のなさ、怖くもあり哀しくもなるのよね。他の誰より一織くんがいちばん、どんなに近しい人でも冷徹にバッサリ分析してしまえる自分が嫌いなんじゃないかと思う。だけど同じくらいそんな自分を誇ってもいるんだろうな。
「ビジネスも友情も恋愛もニーズで成り立ってる」と言い切った一織くんに背筋が凍った。
ここまで一緒にやってきたIDOLiSH7のことも、戦友の紡ちゃんのことも、あんなにクソデカ感情向けてる陸くんのことさえ、あくまでニーズで成り立った関係だと思ってる…?いや、まさか、な。
でも紡ちゃんを口止めしたい時も、一織くんが持ち出すのは「口約束の契約」。自分と紡ちゃんの間に信頼関係は確かにあるでしょう?と言うのもきっと「これまでの実績があるんだから、貴方は私を信頼するしかないでしょう」という意味なんだよな。
感情論ではなく、どこまでも事実と結果に基づいた話。
なんかとんでもない伏線を張られた気がしてる。
2年も一緒にやって来てまだそんなこと言っとんのかワレ!!と胸ぐらつかみたくなるね。(やめろ)
結局一織くんはさ、三月くんに嫌われてしまうのが怖いんでしょ。たったそれだけの、単純な思いから生まれた秘密だった。なのにそれを「おもしろく思わない人もいる」なんて言葉に隠して、裏から手を引いて、どんどん三月くんやメンバーに嘘を重ねて。そうやってただの秘密の箱だったものに少しずつ災いを詰めてパンドラの箱をつくってしまったのは紛れもなく一織くん自身なんだよな。ただの秘密で終わっていたものを、その手で災いを伴った危険物にした。
そのくせ「これはパンドラの箱です。開ければ災いを呼び起こします。そのせいでIDOLiSH7は解散するかもしれない。」なんて紡ちゃんに詰め寄るのは卑怯なんじゃないかと思った。
事態がここまで拗れているのは、間違いなく一織くんがみんなに打ち明ける機会を先に先に延ばして、ぎゅうぎゅうのパンドラの箱にそれでもなお嘘を詰め込もうとしてるからだ。その箱がもし不本意に開かれた時、一織くんが今回のように紡ちゃんを責め立てるつもりなら嫌だなと思った。そんなのは見たくない。その辺の見極めはちゃんとしてる子だと思ってるけど。
たしかに一織くんは墓までその秘密を持っていくつもりだったんだろうからそんな事態想定してなくて当たり前だし、そもそも紡ちゃんだって隠れてマネジメントすることに賛成していたし、一織くんの敏腕に助けられていたことも事実。それにしても今回のは何か違うよな、と思う。まぁ大方、紡ちゃんが予想もしてなかったことを言い出して、バレるかもしれない、そうしたら兄さんに嫌われるかもしれないと焦っての言葉であったんだろうけど。
三月くんと話す時、ワントーン声が高くなるのよね…ほんっと、なんて言ったらいいのか分かんないけど、とりあえず増田俊樹さんやべえですね。
時折出てくる「………。」に含まれる表現の多彩さよ。息遣いだけでしんどいの何?
ここの和泉兄弟の会話、完全に新年ストの人狼の再演なんですよね。一織になんとなく違和感を感じていても、あと一歩の確証が持てず、そして愛する弟の言葉をまるっとそのまま信じてしまう三月くんと、都合の悪いことを隠すためにどんどん嘘を重ねてしまう一織くんと。
「……今、言えばよかったかな」がもうしんどくてしんどくて。言いたい気持ちはあるんだよね。だけどそれよりもずっと、兄さんに嫌われてしまうことが恐ろしい。だから結局、今日も何も言えない。
ほんっとうに和泉一織…という言葉に尽きる7章でした。
大好きで大の苦手だった和泉一織という人間、ここからきっともっと大好きになっていくんだろうなと思うからすごく楽しみではある。その前にきっちりしっかり苦手な和泉一織の部分と向き合わなくちゃいけないからキツくもあるけど。