たからばこ

好きなものを好きなだけ

七瀬陸と九条天の涙の話

 

 

めちゃくちゃ自己解釈です

 

陸くんって恐らく、人前で自分の為に泣くことができない子だと思うんだよね。

前にも話したけど、幼い頃、自分の発作のせいで家族の予定が潰れてしまうようなことは多々あったはずで、その時、いくら周りが気にしていないよ、大丈夫だよと振舞っていたとしても、罪悪感は絶対に彼の中にあったはずなんだよ。七瀬陸はそういう子だと思う。

だけど、そういう気持ちを抱えながらも周りの優しさだって分かっていて、分かっているからこそ、申し訳なさを押し殺して笑ってたんじゃないかなぁと思う。そしてそれがこの前の天くんの「ボクのしたことは間違いじゃなかった」に繋がっているんだと思う。つまり、今の陸くんが天真爛漫でいられるのは間違いなく幼い頃の天くんのおかげであり、それと同じくらい、陸くんが「無邪気に笑う弟」でいようとした結果なんじゃないかな。

 

ある種の諦めというか、自分が申し訳ない顔をしたからといって周りが報われるわけじゃない、それならせめて笑っていよう、その方がみんなも笑顔になってくれる、みたいな。まさに「知らないフリをすることがオレの罪だ」じゃないけど、自分の心を押し殺して周りのために笑う術を、その必要性を、誰よりも早く理解して行使していたのは実は陸くんなんじゃないかと思うんだよね。それが転じて、彼が無茶ぶり大魔王になってるところもあるんだけど。

自分が笑顔なら周りも笑顔になるということを知っているから、周りを笑顔にしたいなら自分が笑顔でいなくてはというのが染み付いてるんじゃないかな。

 

で、ふと思い至ったのが「七瀬陸が自分のための涙を流した」こと、今までになかったんじゃないかなと…。

ただ忘れてるだけならめちゃくちゃ申し訳ないんだけど、彼が悲しい寂しい辛いの意で流した涙って、なかった気がするんですよね。

それが「流さなかった」のではなくて「流せなくなっている」のならかなりまずいよなぁと思った。涙を流すことが全てだとは思ってないのだけど、そもそも陸くんから激しい後悔や悲しみのモノローグを聞いた事すらなかったような気がして。

周りから「一番悲しくて辛いのは陸だもの。ごめんね。」を言われすぎて、悲しくて辛い気持ちを押し込めて笑う術ばかりを学びすぎて、彼の中にある負の感情を表出することが出来なくなっているのなら…ゾッとする。

感情を表せなくなってしまうことって、自分の感情を自分自身にすら無視されてしまうことって、この世でいちばん不健康なことなんじゃないかと私は思ってて。もしこれが本当なら、そしてその状況がこの先も続くのなら、いつか陸くんが壊れてしまうんじゃないかと思った。

 

 

対して天くんは、恐らく陸くんと両親の前でだけ泣けない子なんだよね。彼らに「陸のせいで寂しい思いをしていた」ということだけは、死んでも知られたくないと思ってる。

だから、それ以外、例えばTRIGGERの前でだとか、陸くんに関すること以外での涙は構わず流せる。

その点で言うのなら、天くんがあの時点で七瀬家を離れてくれたことは正解だったのかもなと思う。その点だけで言えば。

 

 

陸くんは自分が感じる全ての負の感情に対して、異常なほど鈍感になっているのではないか、そしてそれは幼少期の生活によるものではないのか、と思い至った話でした。

 

 

本当に考えれば考えるほど、陸くんは自分の感情を蔑ろにしてしまっている感が否めないんですよね。
しかも楽しいとか幸せとか怒りは普通よりちょっと多めくらいに表出してくれるから余計、悲しい辛いがあまり表出されていないことが際立ってて…恐ろし…。

 

IDOLiSH7内で「自分が悲しかった、辛かった」で泣いてないの、まじのまじで陸くんだけな気がする。厳密には壮五さんもだけど、それは環くんが2人分やってくれてるからノーカンとして。

 

わたしの中で陸くんの涙を見たシーン、1周年ライブか何かの、TRIGGERが失墜したあとの、七瀬陸の訴求力が一織くんにバレてしまった時のあの1回だけなんですよ。他にどっかあったら教えて欲しい。忘れてるだけの可能性めちゃくちゃあるので。