たからばこ

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MILGRAM ーミルグラムー 第1審 アマネ 考察

 

 

DECO*27×山中拓也×OTOIROによる視聴者参加型楽曲プロジェクト「MILGRAM ーミルグラムー」

 

今回は囚人番号008番・桃瀬遍について考察する

 

ー目次ー

 

基本情報

 

12歳 / 女 / 144cm / O型

6月27日生 / かに座

 

ミルグラムの中では最年少。大人びた性格をしており、冷静で礼儀正しい。ミルグラムという異常な状況に動揺するそぶりすら見せない。囚人たちの中で起こる諍いにも参加しようとする意志はあまりない。大人びた言動とは裏腹に神様の存在を強く信じていたりと子供らしいピュアさがうかがえる。

 

 

 

おまじない MVより

 

最初は虐待かな…と思ったけど、最終的には宗教的なもので洗脳されていたんじゃないかと考えた。

根拠としては、アマネ以外にいろんな性格の人が出てきたのが大きいかな。最初はそれも、アマネの中の感情的なものかと思ったけど、どう見てもアマネと手を取り合ったり共に頑張るというよりは、外から監視してる感じが強かったんだよね。すごく威圧的。

あとはアマネは年齢に比例した身長と体型だし、少なくとも下肢には痣や傷などが見られなかったから、虐待の可能性は低いと見た。

 

そして「おまじない」という曲名と、度々出てくる「神様」「誓い」という単語、怪我をした人に対して、正しい処置をするのではなく祈りで治そうとするあたりから、宗教的なものとの関連を考えた。

 

緑のキャラクターから教えられた規則正しい生活、黄色からの募金活動、青からの歌(聖歌のようなもの?)これらは全てその宗教内での教えだったのかな。

ピンクだけ何を象徴してるのか分からなかった。耳の辺りに絆創膏のようなものが付いてたから、救護・人助けみたいな感じかと思ったけど、怪我したネコのことを祈りで助ける(≒見捨てる)って判断したのがピンクだったからな…。それも、ずっと前から定められた教えというよりは今思いついたって感じだったし。

 

幸せの指切りというのは宗教の教えたちのことで、それを破ると厳しい罰が待っていた。だけどそれさえも、愛なのだと刷り込まれていた。「いい感じって思います」ではなく「思えます」なのは自分に言い聞かせてる感じがある。強制してる感じ。

教えを守ることを神に誓わされ、それを全う出来れば良い子として褒められ、出来なければ悪い子として罰を受けて来たのかな。

 

怪我をしたネコを周りの人たちは祈りで助けようとする。しかしそんなもので傷が治るはずもなく、見かねたアマネが手当をすると、信者たちはそのアマネの行為を教えに背くものとして厳しく罰した。

それによってアマネは入信完了。魔法少女への変身はその比喩だろうな。2:40とか、完全に目がおかしいし。 そうして遂に「守ってくれるいい子には ちゅっ」をする側になり、周りの信者たちとも手を繋ぐ。

 

最後のテレビ越しにそれを見てる死んだ目のアマネは何なんだろう…。完全入信したなら、あんな風にはならないだろうし…洗脳されてることを表してるのかな。

本当に宗教的なものに洗脳された人なんて見た事ないから何とも言えないけど、そういう人たちってもっと楽しそうなものかと思ってた。

だから最後のアマネにはちょっと違和感。

洗脳されてる最中のアマネかなあ。

 

アマネでいちばんよく分からなかったのは、ヒトゴロシの定義。誰を殺したんだろう。

アンダーカバーのとき、アマネは棒状のもので人を殴って殺したように見える。

これは、洗脳されてから、怪我をしたネコに留めを刺したとも考えられるし、入信したあとにその宗教の教えに従って人殺しをした可能性もある。

でも心象に人殺しからかけ離れた場面が映るとは考えにくいから、やっぱりネコかな。

 

 

 

尋問内容より

 

Twitterでの公開分しか見てません

 

・勉強は得意

・父を尊敬。しばらく旅に出ているが、それは名誉あること

・足りないものはない

・Q. 家族はお前を誇りに思っているか? A. もちろん

・遊園地は行ってはいけない場所

・Q. 自分が好きか? A. 良い子だと思う

・感情も倫理も瑣末なこと

・家族は父と母と私 "でした"

・肉は食べない

・今会いたい人は父親。頑張っていることを褒めて欲しい

・明日地球が滅亡するとしたら、やったことないことをやりたい

・人殺しについては「当然の義務」

 

父親について考えたことが2つあってですね。

1つは普通に両親が離婚したということ。母親がそれを隠すために "旅に出た" と偽っているのかな。宗教に繋がったのも、母親が離婚をきっかけにのめり込んだ可能性が高い。

もう1つが、父親=ネコであったということ。つまりアマネは父親を殺したのではないかと。これは有り得ないでほしいけどな…。たとえばこの宗教が死んだことを「神様に仕えに行った」とかいう思想だとしたら、名誉ある旅という表現にもなるのかなと思う。尋問内容書き出しててここに考えが至って、ゾッとした。

 

アマネにとっては倫理も感情も瑣末なこと。宗教の教えだけが全てなんだろうな。だけどやっぱり、多少なりとも嫌悪の気持ちはあるのかも。「明日地球が滅亡するとしたら?」という問いに「やったことないことをする」と答えているところから、宗教に縛られない生活を望んでいるようにも見える。

 

 

 

ボイスドラマ 使徒と死と より

 

想像の500倍はやばい子だった…。最初はまるでAIみたいに単調な喋りなのに、エスの考えが自分に寄ってると分かった途端ビックリするほど感情的に喋り出すんだもん。狂気すぎる。

 

「私たち」「我々」という言葉からも、宗教団体的なものの示唆が伺える。アマネの中の人格を指してると考えることもできるけど。

 

特技が早寝早起きで趣味は勉強って、ほんと何者?いい子通り越して怖いよ…。

 

エスに「お前の家に生まれないでよかった」と言われた時、少し悲しそうにするのは何なんだろう。両親が好きだからそんなふうに言われて悲しかったのか、自分もそう思っているから、素直にそれを口にできるエスが羨ましいのか。

でも両親が好きなんだったら、もうちょっと反論してきそうな気もするけどな。アマネなら。

 

この子、なんとなく解離障害っぽいところあるんだよね。自我がすごくあやふや。何が怒りのスイッチなのか、何をしたら悲しませるのか、何故あんなに高揚していたのか、分かりやすいようでその実、不透明な部分が多い。一貫性がないというか。

それは私とはかけ離れた "宗教" というものと繋がりが強い子だからそう感じるのか、そもそもアマネがそういう子なのか、はたまた一般的に自我が未発達とされる年齢故の曖昧さなのか。

 

カズイは向こうが故意的に本心を読み取らせないようにしていることで、真意を知ることが難しいと感じたけど、アマネはそういうつもりはない。むしろ自分に正直に、己が心の向くままに話してるのに、読みづらいと感じた。つまり、アマネの本心は見えるのに本質が見えない。どういう子なのか、全く分からない。その噛み合わなさが不気味だった。

カズイとは別ベクトルで難しい。

 

ただ、彼女の中で、自分の人殺しは自分の中の信念に基づき、自我が確立した中で行ったものであるということは確かで、それを「お前の本心ではない」と軽んじられることを屈辱的に思っている。

つまり、「アマネは幼少で、宗教は親からの教育で入れられたもの。そこにアマネの意思はなく、むしろアマネは被害者であると言える。」と判断されることは、彼女にとって疎ましいことこの上ないのだと思う。

 

あくまでもアマネはアマネの意思で、宗教の教えに従っているのだと、他でもない彼女自身が言っているのだから、それを周りの人間が否定してしまうのは、確かに失礼なのかもしれない。

たとえ未発達でも、子供にだって意思はある。

 

 

 

まとめ

 

・アマネは何かしらの宗教的団体に加入していたのではないか

・その中で厳しくしつけられ、"良い子" になるために頑張っていた

・そしてその宗教の教えに従い殺人を犯した

・宗教に対する信仰心は強く見えるが、彼女自身がどういう人間なのかが曖昧

・宗教信仰も、殺人も、あくまでも彼女の意志によるものである。それを否定されることをアマネは望んでいない。

 

宗教観というのは、その人の大切な信念だと思うし、誰が何を信じていようと自由であると思う。

別にそれを否定するつもりはない。

だけど、アマネの住んでいたのは日本だ。そこには日本の法律というものが適応される。日本に住み、日本で宗教活動を行っていた以上、それは最低限守られるべきなんじゃないだろうか。

 

そこをガン無視かまして、「私は私の信念で人を殺しました。許してください」なんて言って、容認されるはずがない。そんなことが罷り通ってしまえば、秩序なんてあったもんじゃない。

それを通したいなら、それが通る法治の国へ行ってやるべきだと思う。

 

少なくとも日本でその罪を犯した以上、アマネは立派な殺人者だと考えたので、第1審では赦さないと判断する。

 

そしてアマネは自分の意思で入信し、殺したと自分で言ったのだ。エスと同じく、「あとから "子供だから" と泣いても遅い」と私も言いたい。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

また何か気づいたことがあれば追記していきたいと思います。

 

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