たからばこ

好きなものを好きなだけ

MILGRAM ーミルグラムー 第1審 マヒル 考察

 

 

DECO*27×山中拓也×OTOIROによる視聴者参加型楽曲プロジェクト「MILGRAM ーミルグラムー」

 

今回は囚人番号006番・椎奈真昼について考察する

 

ー目次ー

 

基本情報

 

22歳 / 女 / 154cm / B型

1月17日生 / やぎ座

 

よく喋り、よく笑う、太陽のような女性。誰に対しても分け隔てなく接し、献身的。女性では最年長。純粋な性格で、嘘に騙されたりからかわれたりするが常にへらへらしている。看守に対して特別な思いが芽生えており、普段の明るい表情とは違う寂しそうで大人びた表情を見せることも。

 

 

 

愛なんですよ MVより

 

MV内の16日間は連続した16日間ではなくて都合の良い16日なんだろうなと思う。あれが連続した物語なら、いくら何でも展開が早すぎる。

もしあのスピード感で関係が進んでいたならストーカー説がかなり濃厚だけど、ストーカーだと「深夜の公園デート」とか「自分の好きな映画に誘った野外シネマ」とかの説明がしにくいと思う。

ストーカーしてて何時間も彼と公園にいるとか、相手の興味のない映画に誘うとか、どうやるんだろ?って感じがする。もしマヒルの他にそういうことを一緒にする相手がいたなら、それこそマヒルは黙ってないだろうし。

 

歌詞から束縛の強さ、メンヘラな感じが見えたので、行き過ぎた束縛によって彼氏がうんざりして別れ話をし、マヒルが逆上して殺害。もしくは束縛が息苦しくなった彼氏が精神的に追い詰められ自殺の線が濃厚かなと考える。

 

おそらく付き合い始めたのは深夜の公園デート後。

そのひとつ前、彼のバイト先で待ち伏せをしているところから少し文が斜めに傾く。その辺で少しづつマヒルの愛が常軌(真っ直ぐ)から外れていたのではないかと思う。

告白したいからってバイト先で待ち伏せたり、深夜の公園で何時間も話したりはちょっとすごいなぁという感じ。あくまでも私の感性でね。

 

元々、恋に恋するみたいな部分があったんだと思う。だから目が合ったりしただけで運命感じてるし、MVも女の子のあこがれの恋愛を詰め込んだみたいな感じになってる。

 

あと、彼氏の顔が一切出てこないのが気になってるんだよね。彼の家に訪問って所でさえ、鏡の中にも彼は映らない。

これを見てストーカー説を推した人がかなりいるみたいだけど、わたしは、これはマヒルには彼が見えてなかったということの比喩なのではないかと思ってる。

おそらくマヒルは彼が好きだったんじゃなくて、彼と恋愛してる状態が好きだったんだと思う。デートだったり、"別れの儀式" だったり、寝落ち通話だったり、そういうイベントが楽しかったんじゃないかな。

 

ミルグラムの曲は、囚人たちの心象を現してるものだから、その囚人がどう思っていたか、どう感じていたかがそのまま映し出される。ずっとマヒルだけが映って、その他はほとんど出てこない。まるでマヒルが主人公。このMVには、そのままマヒルの気持ちが現れていると思う。恋愛は、自分を輝かせてくれるためのもので、別に相手に特別愛着があるわけじゃない。いや、愛着はあるんだけど、それすらも自分自身を可愛くするためのモノにすぎないということなのかなと。

 

その後の文体の乱れは、そのままマヒルと彼のちぐはぐを表しているのだと思う。結婚まで夢見るマヒルと、そんなことは夢にも思わない彼。行きたくもない映画に付き合わされ、面倒な初詣に連れ出される。そして挙句、自分の部屋で料理を作って待ってる彼女。

噛み合わない歯車。そしてついに彼は別れを切り出す。まさかそんな話をされると思わなかったマヒルは、絶望し、そんなに別れたいなら共に死のうと彼を殺す。(歌詞に「叶わないなら死にたい」とあるので、マヒルにとって彼が生死すらもを握る人であったのは間違いないと思う。)

だけどマヒルは、恋に溺れた少女でいたかっただけで、本気で彼を追って死ぬ気はない。よって、彼だけ殺してヒトゴロシ。

 

もうひとつ考えた説があってですね。それがストーカー説。といっても初めから全てではなく、実際にあった事と、ストーカーをしていて起きた出来事がごちゃごちゃになってるのではないかなと。

Day8.バイト先で待ち伏せまでは現実だと思う。目が合って運命感じたり、パン屋でばったりしたり、ランニングを一緒にする約束をしたり。

そして彼のバイト先で待ち伏せ、告白をする。そこでマヒルは振られてる。だけど、彼は優しく、友人でいようと言ってくれる。だから何時間も深夜の公園で話してる。

そしてこの後から、ストーカーが始まる。もしくは、友達としての付き合いを、まるで自分が彼女になったかのように書いている。

これならマヒルが好きで、彼はさほど興味のない映画に付き合ってくれたところも納得できるかな。

 

「優しくされたら甘えちゃう」という歌詞から、優しくされると好きになるというのはマヒルの特徴なのかなと考える。だとしたら、マヒルが恋をした彼は優しい人であっただろうから、告白してきたマヒルに対して、恋人にはなれないけど友達でいようと言ってしまった可能性はかなり高い。そしてそれが悲劇を招いた。この場合、彼はマヒルのストーカー行為に精神的に追い詰められて自殺かな。

HPでの「あんまり優しくしちゃうと死んじゃうかもよ」という言葉からは、死んだ人はマヒルに優しくした人であると推測できるし。

 

MV中に出てくる青い鳥の羽と鳥籠。これが気になって、1番に頭に浮かんだのが童話「幸せの青い鳥」だった。そしてあらすじを調べると、ちょっと気になる言葉があった。この童話「幸せの青い鳥」から生まれた「青い鳥症候群」という言葉があるらしい。理想ばかりを追い求めて、現実を直視しない人を指す言葉。

あまりにもマヒルと合致しててゾッとした。

ストーカー説なら、彼と付き合っているという理想の状態ばかりを追い求め、彼に振られたという現実を直視しない。彼と付き合っていたのが本当なら、恋愛をして幸せな女の子という理想の自分ばかりを見て、目の前の彼氏のこと(マヒルの愛や束縛にうんざりしている様子)が見えていなかったということかな。

 

YouTubeのコメント欄で「マヒルが猫に見えた。青い鳥と戯れているうちに殺してしまったのではないか」というのを見て、面白いなあと思ったし、見返してみるとたしかに猫っぽい仕草が結構あったんだけど、そう仮定すると話が通らない部分が多すぎるのでその説は頭の片隅に置いておくことにします。

 

 

 

尋問内容より

 

Twitterでの公開分しか見てません

 

・美容院のお姉さん(MVにも出てる)には何でも話す

・浮気は絶対無理

・大切にしているものは愛(大きく主張して書かれている)

・囚人の中で苦手な人の判断基準が恋愛目線

・愛のためなら全てを犠牲にして良い

・死よりも辛いことは、人を愛せなくなること

・恋人に望むことは、自分の愛を受け入れてくれること

・今までの恋人は1人

・もしひとりを生き返らせることが出来るなら、好きな人を選ぶ

・幸せの定義は胸がキュンキュンすること

・自分を動物に例えるとペンギン。夫婦で子育てする姿が素敵だから

・タバコは好きな人が吸っていたら真似するかも

・自らの罪について、自分が悪かったのかどうかも分からないとの返答

 

かなりの恋愛脳だな。そしてやっぱり重たい。相手への愛も、恋愛に対する熱量もすごい。

ここで出てくる "好きな人" は特定の人を指してるわけではないみたい。だとすると "彼" ではなく "恋愛をする私" に恋をしていた可能性が高まるな。

 

罪について「自分が悪かったのかどうかも分からない」っていうのは気になる。手を下してたなら、そうは言わないんじゃ?と思うけど、殺したのは自分だけど、そうさせたのは相手だから!とか言い兼ねないよなこの子。

 

 

 

ボイスドラマ Love is mineより

 

すごく夢見がちで、やっぱり恋愛のことしか頭にない。ロマンチストを超えて狂気。

 

「愛ゆえに人を殺したが、嫉妬や怨恨、略奪によるものではない」「マヒルはただマヒルでいただけ。殺したくはなかった」「マヒルの罪が赦されないなら、もう人を愛してはいけないということか?それなら生きている意味がない」

これらの話から、行き過ぎた愛情で相手を追い詰めた可能性が高いと考える。別れ話をされて、哀しくなって殺したという説も消えたわけではないけど。

 

エスは歌について「お前が世界をどう見ているか確認する」と言っている。つまり、MVに出てくるのはマヒルの見ていた世界。これは、MVに徹底的に彼氏が映っていないのは、マヒルが彼を見ていなかったということの比喩であるという考えにより根拠を持たせる発言だと思う。

もしストーカーなら、妄想的に彼氏がもっとたくさん映ってもよかったはず。だけど実際は恋愛を楽しむマヒルの姿しか映らない。マヒルには恋愛をして幸せでいっぱいな自分しか見えていなかったのだと思う。

 

 

 

まとめ

・極端な恋愛脳で、恋に恋する女の子

・彼氏と運命的な出会いを果たし、どんどん気持ちが加速し愛が重くなっていく

・それに耐えられなくなった彼は別れ話を切り出し、マヒルはそれに逆上して彼を殺害

・もしくはどんどん重くなるマヒルの愛やそれに伴う束縛、メンヘラ化に彼氏が精神的に追い詰められて自殺

・マヒルは "恋愛をしている自分" が好きだっただけで、"彼" が好きだったわけではないので、MV内に彼があまり映らないのではないか

 

悪意があった訳ではなさそうだし、ただ純粋な愛が行き過ぎたという印象。到底理解し難い生き方で、共感は出来ないけど、善か悪かで問われれば善だと思うので、第1審では赦せると判断。

だってただ相手が好きだっただけじゃん。その愛の重さが釣り合わなかったんだろうな。相手にとっても、マヒルにとっても不幸な事件という気持ち。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

また何か気づいたことがあれば追記していきたいと思います。

 

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