たからばこ

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MILGRAM ーミルグラムー 第1審 ハルカ 考察

 

 

DECO*27×山中拓也×OTOIROによる視聴者参加型楽曲プロジェクト「MILGRAM ーミルグラムー」

 

今回は囚人番号001番・櫻井 遥について考察する

 

ー目次ー

 

基本情報

 

17歳 / 男 / 身長174cm / AB型

6月22日生 / かに座

 

常に伏し目がちの物静かな青年。本来の基質は優しくおとなしい。ミルグラムの環境に不満な様子はない。コミュニケーションは取ってくれるが、どこかズレていて噛み合わない。

 

 

 

弱肉共食 MVより

 

歌詞に異様に平仮名が多いこと、MV内の独特な色彩から、広義の精神障害者ではないかと考える。

「だれでもできること ぼくにもできたらな」「どれくらい続けたら ぼくもヒトになれる?」という言葉からも、自分は周りと同じ "ふつうのヒト" ではない、「ハズレ」だという気持ちを感じるので、この可能性はかなり高いんじゃないかな。

 

3度出てくる殺害シーンの内、最初の2度はその後ベットの上で目覚めていることから、夢であると思われる。最後の絞殺だけが現実かな。

 

幼い頃は自分に向けられていた母親の愛情が、弟が生まれたことで全て弟に向くようになり、妬ましく思って弟を殺害?

MVに出てくる女の子も犬も、弟にばかり恋をして懐いて…って感じだったのかな。

弟がいなくなれば、弟に向かっていた愛が自分へ向くかと思ったが、そうではなかったから「間ちがっていたのはぼくだった」。

 

小さい子が幼い頃のハルカ説もあるけど、私はそれは可能性として低いと思ってる。

ミルグラムは、人の赦せる赦せないのボーダーを問い掛けるコンテンツだと思うので、そんな大多数が赦すとしそうな「過去の自分を殺す」なんて罪でわざわざ囚人にしたりはしないんじゃないかな。

私たち視聴者を撹乱するためだとしたら有り得なくはないけど。

 

歌詞の「スタート位置がちがうまま始まった」からも、元の出来が違う誰かと比べていることはほぼ間違いないと思う。「ぎせい」っていうのも、誰かその上に立つ人間がいなきゃ成り立たないし、「くずされ」るってのも受け身だから、相手は同軸に存在する。

だけど出てきている男の子は明らかにハルカより幼いので、弟説を推したいですね。

 

そして何度か曲を聴いていて感じたのは「愛される弱者になりたかった」という言葉は、2通りの意味に取れるのではないかということ。

1つ目は「 "愛される" 弱者になりたかった」。これは、ハルカ自身が社会的弱者(幼子,障害者などを指す)であり、それ故に愛されていなかった(後に生まれた健常な弟に愛を奪われた)のではないかという考えに基づく解釈。

2つ目は「 "愛される弱者" になりたかった」。これは前述とは真逆で、弟のほうが社会的弱者であり、それによって母親はハルカを放って弟にばかり構うようになったという考え方。弟を見ていたことでハルカの中で「弱者であれば愛される。自分はそうでなかったから愛されなかった」という考えができての言葉だとしたら?

女の子も、弱者である弟を守ろうとして常にそばにいたとか。その子はハルカの片思いの相手で、弟が生まれるまではハルカと仲良くしていた→「(弟が生まれなければ)ちがっていたハズの未来は 不平等に(女の子は弟に)こいをした」

 

2つ目の場合、ハルカが弟になりすまして、というか弟の真似をして(そうすれば愛されると思って)、たくさん平仮名を使っている可能性もあるのかな…とかね。

サビの前半は全部しっかり漢字になってるのも気になってはいるんだよね。たまたまかもしれないから何とも言えないけど。

 

弟は精神障害者ではなく、幼子という意味での社会的弱者であった可能性もある。MV内の子供の落書きのような絵、お絵かき帳や積み木のある部屋も、幼子の弟のものであるとも取れる。

曲名に「共食」って入ってるからなぁ…ハルカは精神障害者としての弱肉、弟は幼子としての弱肉で、互いに母の愛を喰らい合い、弟に取られたとか?

 

 

 

尋問内容より

 

Twitterでの公開分しか見てません

 

・恋愛に関して非常に疎い

・質問の内容などはきちんと理解しているし、受け答えもしっかりしている

・願いは「愛されたい」

・将来の夢「ふつうに生きたい」

 

これ見てると、やっぱりハルカは健常で弟が弱者であった可能性の方が高いんじゃないかなと思う。

ハルカが弱者であったが故に愛されなかったというのがミスリードなのでは?

 

MVではあんなに平仮名ばかりの歌詞や独特な世界観で、精神病や知的障害が疑われる様子なのに、尋問では問いの意味をしっかり理解して、道理の通った返答ができるのは違和感がある。精神障害があってもこんなにちゃんと会話できるものなの…?

この辺の専門的なことは詳しくは分かんない。

見当違いなこと言ってたら申し訳ない。あくまでもwebで得た緩い知識に基づく私の主観による考えです。

 

その場合、もしかすると弟になりすましてるんじゃなくて、そもそも弟が生まれ、母親の愛情が弟の方へ大きく傾いて、ハルカを虐待して学校に通わせないようにしていたのかも。それなら平仮名ばかりなのも納得はいくし、MVの「ぼくに気づいて」「だれか気づいてよ」っていうのは家では自分の存在を無視され、外にも出してもらえないために誰も自分を知らないということにも掛かってると考えられる。

「ふつうに生きたい」というのは、虐待をされずにってことかな?

 

弱者であったのが弟だとしてもハルカだとしても、ハルカは弟の登場によって次第に母親から愛を向けられなくなって、その事で弟を疎ましく思って殺害したというのは間違いないと思う。現時点ではね。

 

 

 

ボイスドラマ 弱者の蠕動 より

 

親からの虐待はほぼ間違いなく確定だと思う。カズイとシドウを "大人だから" 怖いって言ってるし。自分の年齢が曖昧なのも、誕生日を祝われてこなかったからかな。

「看守さんたち "も" 最後には見捨てる」って言葉も、以前誰かに見捨てられたからこそ生まれるものだと思うから、産まれた時から虐待を受けていたわけではなく、ある程度物心ついてから見捨てられたって考えるのが妥当。

見捨てるっていう行為は、それ以前の愛情、「見捨てられていない状況」がないと生まれないと思うので。

 

アマネに対して「あの年頃の子供が苦手」って言ってるのは、弟に親の愛を奪われ、自分の居場所を取られたと思ってるから?

MVに出てきてる男の子を幸せな頃の、過去のハルカだと考えると、そんな回答にはならないはずだからやっぱりあの男の子は弟って説が濃厚だと思う。

 

でもエスが手を上げた時には「痛い、何するんですか」と言うだけで、めちゃくちゃ怯えてるとかっていう感じではなかったから、母親からの身体的虐待はなかったと見える。本当にただただ放置されてたのかな。無関心でいる、学校に通わせない、家に幽閉するって感じの虐待の仕方だった可能性が高い。

親から長らく関心を持たれなかったから、エスが自分に(仕事だとしても)興味を寄せて、話を聞いてくれるのが嬉しかったんだろうな。

 

「生まれつき人を不幸にすることが得意」「僕がただ普通にしてるだけでダメにしてしまう」「僕なんか」っていうのは親から日常的に浴びせられていた言葉によって、自分の存在が人を不幸にする、自分はダメな人間だと刷り込まれてしまったんだと思う。

虐待されたのは弟が生まれてからなはずなのに、「生まれつき」って言ってる矛盾はそこにあるのかな。

 

「僕のことを知ったら、見捨てるに決まってる」っていうのは「僕が障害者であることを知ったら」なのか「僕が人を不幸にしてしまう、ふつうのヒトになりきれないダメな人間だと知ったら」なのかはこの時点では定かじゃないな。

エスから「ここにいる囚人たちは全員ダメ人間だ」と聞いて安心したように見えたのは、親からお前はダメ人間だ、だから人と関わってはダメだと言われてきたから?

みんな自分と同じレッテルを貼られてるなら気兼ねしなくて済むもんね。お互い様だって言える。

 

ミルグラムHPで聞けるボイスでは、人殺しについて「申し訳ないなと思っている」とは言うけど声色から後悔の念などはあまり感じられない。

これは反省の色がないとも取れるけど、発達障害を伴う知的障害なら他人の痛みを感じとることが難しいという特性ゆえとも思える。

これはどっちかでかなり印象が変わってくるな。

 

弟への罪悪感より、弟を殺してもなお母親の愛情を取り戻せなかったことに関しての落胆の気持ちの方が勝ってる感じもする。

 

 

 

まとめ

 

・ハルカは精神障害者、弟は幼子として、それぞれ社会的弱者であり、母親の愛情を取り合って「共食い」した(ハルカは母親の愛情を受けられず、弟はハルカに殺された)

・弟が生まれたことで、ハルカは親から虐待を受けるようになり、学校にも満足に通わせてもらえていなかった

・ハルカは精神障害者ではなく、虐待により精神(知能)遅滞のある健常者である可能性もアリ

 

ハルカが精神障害者であったか否かに関わらず、これは悪いのは愛情を傾けた親だと思うので、第1審ではハルカの罪は赦せると判断。

 

 

 

 

また何か気づいたことがあれば追記していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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