MILGRAM ーミルグラムー 第1審 エス 考察
DECO*27×山中拓也×OTOIROによる視聴者参加型楽曲プロジェクト「MILGRAM ーミルグラムー」
今回は監獄・ミルグラムの看守であり、私たち視聴者の写しでもあるエスについて考察する
ー目次ー
アンダーカバー MVより
おそらく彼も囚人だと思う。正確には、最終的にその立場に立つと言った方が良いかな。
自分(エスや私たち)が「赦さない」という判断を下したことによってその囚人が殺され(もしくは残虐な行為の犠牲となり)、それに対して罪に問われるのでは?
ミルグラムという言葉の元であると考えられるミルグラム実験で検証された「一般市民でも一定の状況下であれば残虐な判断を下すのか」という命題の"一般市民"の部分に囚人達は当てはまり、そしてそれは私たち(エス)にも言えるのではないか。
つまり、看守と囚人は時を経て立場を変え、同じ状況に立ち同じような選択を求められている。
囚人を赦さないということは、すなわちその判断を下した自分自身をも赦さないということである。
文字に起こすとややこしいな。
囚人たちがそれぞれの価値観の中でしっかりとした理由のもとに行なった殺人を、自分の価値観で赦さないとしたお前のその判断は赦されるものなのか?ということですね。分かりにくい。
脚本の山中拓也さんから「もし囚人が全員赦されたらその時は地獄を見せます」みたいなコメントがあったらしいから、この可能性はそれなりに高いんじゃないかな。
この「全員赦されたら」というのはたぶん、「視聴者が自分の考えに基づいてではなく、先の展開を予測してのジャッジをしたら」という意味だと思う。
あくまで貴方から囚人に対しての赦す、赦さないの判断を聞いてるんだよということね。知らんけど。
歌詞には「赦すなら共犯者」とあるから、赦すことによって自分もその囚人と同等の人殺しの罪になるとも取れる、っていう考えも少しあったけど、この歌詞は一応ハルカパートのものなんだよね。
そこが全体に適応されるか否かは微妙なので、赦さない(囚人へ罰を与える)ことがエスの罪だという説を推したい。
エス=私たち(視聴者)ということなので、彼自身がミルグラムへ来る前に何かしらの罪を犯したというのは少し考えにくい。
ミルグラムへ来る前の記憶なくしてるらしいし、可能性として無くはないけど、限りなくゼロに近いかな。
どちらにしても、エス自身も最終的に何かしらの罪に問われ、囚人として裁きを受けることは免れないと思う。
MVでエスが持っていて000と書かれた罪の内容が仕舞ってある(上映のためのカセット?)と思われる箱から他10人の囚人たちの罪を見れたのも、彼も何らかの罪を背負うことになると考える大きい根拠になる。
ここは追々、というか最後の方に判明しそうだな。
そしてジャッジをするのにさして影響はない。というか影響させてはならないのだと思う。
あくまでその囚人の罪に対してどう思うかを問われているので。
ボイスドラマ ESより
ここから下は、考察というか覚え書きです。
まずそもそもなんでESなんだろ?って思った。
だって普通、エスならSか、せめてESUでしょ。後者めちゃくちゃダサいけど。
ひとつ考えたのは、複数形のーesかな?ってこと。それならs単体でも良い気はするけど。
囚人 "たち" という意味での複数形ーesなのかな。それとも様々な罪、動機の形という意味かな。どれだろう。
あと、コトバンクでESって調べてみたら『エンベデッドシステムスペシャリスト試験』っていうのが出てきて、この試験の内容を要約すると『システムの設計・製造を主導する能力を備えているか否かを認定する試験』であるとのこと。これはエスがミルグラムについて全てを決められる(設計できる)立場にあることとリンクしてるのかなと思った。
すなわちこのESにも意味があるみたいってだけなんだけどね。今後には特に影響しないと思う。
エス「頭に霧がかかってるみたいだ」に対してジャッカロープ「いつもそう」。この「いつも」とは、エスが毎日そうなのか、看守は毎回そう言う、という意味なのか。
エスに対して「 "今回の" 看守さんはウブだな」という発言、カズイに関して「 "今回の" 最年長」という言葉から、ミルグラムでは以前から同じようなことを繰り返していると考えてほぼ間違いない。
その度に看守が変わっているのか、その度にエスが記憶を失ってしまうのかは定かではないが、エスが記憶を失っている場合、毎回人格まで変わっているようである。(ウブというのは人の内面に関わるものであるため、記憶を失った程度で変わるものではないと思う。記憶を失うと共に人格、性格もリセットされる?)
エスにはミルグラムの全てを任されている。→裁判後の囚人の処置も決められる?
もしそうだとしたら赦さない=殺す、赦す=釈放とも限らなくなってくるな。
そしてこの、看守としての義務をエスは記憶を失った状態でも強く感じているらしい。
これはミルグラム実験の「途中で放棄させないような声掛け」に相当するのかな。大丈夫、お前のやっていることは正しい、そのまま続けろという言葉の代わりの義務感?
エスとジャッカロープの部屋には互いに行き来できない。これ意外と重要なんじゃ?となんとなく思ってる。なんとなくね。理由はない。
謎の11時の位置にある部屋も気になるよな。
これはエスが裁きを受ける時のための部屋かなと思うけど。
あと囚人同士なら揉め事が可能な様子。これはちょっと怖いな…第三審を待たずに死ぬ人が出てきたりはしませんように…
全員しっかり3回分見届けたいですね。
まとめ
・エスも最終的に囚人となり裁きを受けるのではないか→その理由が「赦すなら共犯者」という思想に基づくものなのか、「赦さないという判断を下したこと」についてなのかは分からない
・ミルグラムはずっと前から同じことを繰り返しているのではないか→その際の看守が度々変わっているのか、エスが記憶をリセットされて何度も看守をしているのかは定かではない
・エスには監獄の全てを一任されている
・そしてその義務を彼は強く感じている
・エスとジャッカロープは互いの部屋を行き来することはできない
・囚人は管理者へは攻撃できないが、囚人同士であれば可能
また何か気づいたことがあれば追記していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!